会計は何でも数字にしてしまう。何百人といる従業員に将来支払うべき退職金を死亡率や平均残存勤務期間を考慮した数理計算にあてはめ現在価値を算定する。所有する資産が生み出すキャッシュフローを計算し、その時価を合理的に算出する。目に見えないノウハウや従業員の能力ですら企業価値として金額に換算することができる。日々変化する新しい経済活動をいかにうまく数字や金額に表現するため会計学は進化を続けている。
しかし会計の力をもってしても決して表現できないものがある。それは「経営者の想い」である。経営者は孤独だ。業績が好調であっても同じように経営者の心身が好調とは限らない。砂をかむ思いで得た仕事は割に合わない、利益率が悪いと債権者達につつかれる。労働環境の改善を図るために色んな規則を整備したつもりが逆に従業員からは息苦しいと不満が出る。業績と比して役員報酬が高すぎるだ低すぎるだと言われるが、課される責任や心労はその額に値するものなのだろうか?
経営者の持つ理念や将来のビジョン、過去の失敗や功績、そして今の率直な想い。事業報告書を作成するような会社であればこれらを読み取ることは可能だ。しかし決算書における業績や計上される役員報酬額からだけではおよそ測れない経営者たちの様々な想いがあり、それらは我々税理士や会計士の想像や理解を超えるものであることが多い。
会計の専門家であってもすべての物事が¥マークに見えるわけではないし、そうであってはならないと思う。会計は素晴らしい学問でありツールであるが、その背後にある物語やその物語を紡ぐ人間にこそ焦点を当てるべきであり、私はそれらに寄り添っていられる存在でありたい。
我が家のナショナル製炊飯器が、とうとうふたが閉まらなくなり、吹きこぼれはじめました。それでもしばらくは炊くときだけガムテープでふたを固定して使っていましたが、あまりにみじめったらしいその様子を子供にせせら笑われたのでいよいよ買い替えることになりました。
特にこだわりもないのでコストコにあったタイガーの炊飯器をパッと購入。ふつーに炊いたら、なんともはやふっくらとしてもっちりとして美味しいこと!久々にお米がうまいなーっと感じました。
炊飯器の税法上の耐用年数は6年、我が家は13年使っており償却は完全に終わっておりました(もともと10万もしてないが…)が、新しい家電(投資)を買って得られる満足度(便益)というのもなかなか理にかなったものだと思いました。久しぶりに更新するのでゆるーいお話でした。
確定申告期終盤に差し掛かって少し体調を崩し気味です。医者の不養生じゃないけど自分の確定申告をする段になってもう少し税金対策しておけばよかったーっと後悔も。もう春はそこまで来てますね。
「青色申告ってなんで青なんかな?」と妻が言うので、そう言われてみればなんでだろう、と思い調べてみました。日本の税制の礎を築いたとっても有名なシャウプ博士が戦後の日本で試行錯誤する中、きちんと記帳して申告する納税者とざっくり記帳して申告する納税者を色で区分けすればわかりやすいな、と思っていたところ、ある日運転手に
「あなたは何色が好きですか?」と聞いたところ
「私は青が好きです。」と答えたそう。
「それはあなたの個人的な好みですか?それとも日本人みんなそうなのですか?」とシャウプ博士
「私だけじゃありませんよ。日本人みんな青色が好きだと思いますよ。」と運転手。
というやり取りで、シャウプ博士は「よし、じゃあ青色申告にしよう。」となり、申告書の用紙の色を他と区別し青色にしたという説が有力らしいです。ちなみに厳密に言うと「白色申告」というものはないらしく「青色じゃない普通の白い紙」という意味あいで対比的に白色と呼ばれているだけなんだそうです。
今年は申告期限の延長と同時に青色承認申請の届出期限も延長されています。令和2年分の確定申告書の提出と一緒に4月15日までに届出をすれば令和3年分から青色で申告することができます。青色申告には特別控除や損失の繰越等の特典があります。澄んだ青い空のように曇りのない申告が増えればいいですね。
"Give the best you have, and it will never be enough. Give your best anyway"
「ベストを尽くし与えなさい、それは決して十分ではないでしょう。それでもベストを尽くしなさい」
"Never be so busy as not to think of others"
「人を思いやれないほど忙しくなってはいけない」
二つともマザーテレサの言葉だそうです。この度は確定申告期を乗り切るためにこのメッセージを自分に送ることにしました。相反する言葉のようにも思いますが、自分を鼓舞しつつも、見失わないようにがんばります!
今年も去年同様、コロナの影響で確定申告期限が延長されましたね。とはいえあまり悠長にしてると1か月ぐらいすぐに過ぎてしまいますので早めに申告しましょうね。
今年もこの時期がやってきました。今年の相談会場は整理券で入場制限、税理士もマスクにフェイスガードで感染対策を十分に行ったうえで少し物々しい雰囲気で開催されています。
初日ということで覚悟しておりましたが、結果としては380人程度の来場だったようで、去年の6、7割程度だったようです。とはいえ対応する税理士はおよそ10名、一人当たり30~40名ほどを対応していきます。基本は立ちっぱなしで昼休憩以外ノンストップです。最近腰が痛い私には少々キツイ仕事ですした。
さすがに毎年この日ばかりはクタクタになりますが、いよいよ今年も始まったな、と身が引き締まる思いです。今年も色んな方がいらっしゃいました。皆さん自分の税金のことですから少しピリピリされていることも多いですし、勘違いや思い込みで誤った申告や不利な申告をされている方も多いです。申告の内容にはその方の家族構成や職業、バックグラウンドや考え方が反映されていて、まさにその方の人生を垣間見ることになります。一日で何十人もの人生を垣間見るとさすがに疲れますね。
今日はゆっくり休んで明日からまたがんばります!
我が家にはこれといって大層な教育方針というものはない。子供は子供らしく、親からのたっぷりの愛情の中でのびのびと育ってくれればいいと思っている。
あえて言うなら「やると決めたら、1番を取れなくてもいいから、常に上位10%のグループの中にいるように努力しなさい」ということは伝えている。
勉強に限らず、スポーツや趣味・習い事、順位が付くような物事であればそのグループやコミュニティの中で上位10%の位置に属していれば大抵のことはスムーズに事が運ぶ。またその上位集団の中で揉まれさらに高め合うことが出来ると思っている。子供が将来何かを目指す時、ただ漠然と「がんばれ」というよりはいいと思って、そう教えている。
自分の子供を税理士や会計士にしたいとは全く思っていないが、税理士試験の合格率は科目にもよるが10%~20%。公認会計士試験は短答式、論文式、修了考査、と段階に分かれるため単純な合格率を出すのは難しいが、会計士協会発表では10%程度となっている。難関試験といわれるこれらの試験でも上位10%の中にいればほぼ確実に合格できることになる。
また「開業後10年の間に90%の会社や事業は潰れる」という嘘か真かよくわからないデータがあるらしい。私の顧問先には開業からお世話させていただいている会社が何社もあるが、未だどの顧問先も潰れてはいない(いずれもまだ10期を迎えてはいないが)。正直この情報はマユツバものだと思っているが、そうだとしても地域や競合他社、市場の中で上位10%にいれば会社や事業が潰れることはないし、さらなる高みを目指すことができるポテンシャルがあることは間違いないだろう。
普通は他社の情報を知りえないため何を基準にするかは難しいが、TKCにはBAST値という同業他社のデータを業種、売上規模、従業員数で検索可能な情報データベースがある。これは全国のTKC会員が実務で蓄積しているとても貴重で有用なデータだ。黒字の会社はどんな決算の数字になっているのか、原価率や人件費などの経費の割合はどうなっているのか。逆に赤字の会社ではどうか、ということ一目で分かる。TKC所属の先生に顧問をお願いしているなら、ぜひ一度見せてもらうといいと思う。競合他社の状況を知ることでより具体的な目標を設定することが出来る。
簡単なことではないが、上位10%を目指そう。(もちろん私自身も…)
私は公認会計士であり税理士でもあります。公認会計士と税理士は一体何が違うのか。このあたりはあまり一般の方には周知されていないのが現実です。
・税理士は税務に関する専門家
・公認会計士は会計に関する専門家
一言で言ってしまえばこうなります。具体的な仕事内容で言えば、税理士は税金の申告、会計士は証明業務を主とします。では会計と税務は別物なのか?いえ、お互いに切っても切れない関係なのです。
日本では法人税や所得税の申告で法人や事業主が得た「所得」に税金を課します。この「所得」というものは会計上で算出される「利益」とは一致しません。しかし税金の申告のためだけに一から計算をやり直せ、というのは酷な話です。そこで税務申告では会計で計算した「利益」にちょこちょこっと調整を加えて「所得」に置きなおす方法を採っています。これが税務調整といわれるものです。また会計においても税金の計上額はもちろん、繰延税金資産の回収可能性の判断に際しての会社区分など、税効果会計やコンプライアンスの面でも税金申告の状況はとても重要なものとなっています。
極端な話をすると税金の世界では、何が何費でどの区分、売上?売上原価?雑収入?営業外?特別損益?これは福利厚生費か交際費かなんていう問答はいーっさい不要!収入か経費か、以上!それだけ!ということなのです。では会計であんなにたくさんの勘定科目があって、それらのルールが詳細に定められているのはなぜでしょう?
ひとえにそれは会計が経済的実態を数字で表現するということを追求する「学問」だからです。みんなが思い思いに勝手な処理や表現をするとせっかく作った財務数値が他の会社やその平均値と比べてどうか、という比較可能性が損なわれてしまうからです。そこで会社の規模によってそれぞれが従うべき会計基準(ルール)が決められているという訳です。そんな中で会計にとっては税金も数ある会計事象の一つでしかないのです。
中小企業においても「中企業の会計に関する基本要領」という基準が明確に存在していますが、実は実務で中小企業がこの基準に完璧に則した決算書を作成しているのを見たことがありません。この基準、会計基準の中では最下層に位置しますがそこまでユルユルでもないのです。きちんとこの基準に沿った決算書を作ろうとすればかなりの時間と会計的知識が必要になります。しかし中小企業にそこまでの事務負担を要求することは酷だし、会計士と税理士を両方雇うほど余裕もない、ということで顧問税理士が会計報告と税務申告を両方行っているのです。そこでは会計基準に則した決算書ではなく税務申告用に少しユルイ決算書が使われているのが現状です。
本来、会計報告は株主や債権者などの利害関係者(ステークホルダー)に対して、税務申告は税務当局に対して、それぞれ行うものですが、中小企業は会計報告を広く世間に公表することは義務付けられていませんし、その必要性もないことから、借入先の銀行などの債権者から決算書を求められると税務申告書類を提出するという習わしになっているのです。
長くなりましたが税理士と会計士の違いをみなさんがよくわかっていないのは、身近なところで税務と会計の違いを感じることがないことが原因だと思います。どちらが優秀でどっちの報酬が高い、とかは本当に人によります。会計士だから税務に弱いと一言にいうことはできません。税理士でも会計に精通した先生はたくさんいらっしゃいます。ただ業界的にはよく揉めているのもこの税理士会と会計士協会なんです。フィールドが近いので肩がぶつかることも多いのでしょうね。お互いがお互いを高めあう、いい関係であってほしいのものですが。
あけましておめでとうございます!
2020年は自分にとって特別な年になりました。40歳の節目の年、独立開業、コロナウィルス。きっと何年経っても忘れないビッグイヤーだったことは間違いありません。たくさんの人たちとの出会い、新たな事態へ対応するための学び、事務所経営についての試行錯誤、そして悲しい別離。あっという間に駆け抜けた1年でした。
今年は一体どんな1年になるのか。社会の変容は徐々に業種を問わず経済の末端にまで影響を及ぼし始めていて、本当に厳しいのはこの1年ではないかと思っています。その意味では今年は去年以上に税理士・公認会計士としての存在価値が問われる1年になる、と気を引き締めているところです。
本年も少しでも皆さんのお役に立てるようにがんばっていこうと思いますので何卒よろしくお願い申し上げます。
新型コロナウィルス感染症の影響で事業収入が減少している事業者への支援として2021年度の固定資産税の減免措置が行われます。減少率に応じて、50%以上の減少であれば全額、30%以上50%未満の減少率であれば半額、が事業用家屋(土地は対象外)および償却資産に対する固定資産税・都市計画税が減免されます。
ここで売上減少の要件について誤解されている方がいらっしゃるので解説をしておきたいと思います。
今回の要件は「2020年2月~10月までの任意の連続する3月の期間の事業収入の合計が前年同期間と比べて減少していること」となっています。
よく読めばわかるのですが、「連続する3か月の期間の売上」と「前年同期間の売上」を比較して30%以上減少しているかであって、「3か月連続して前年同期比で30%以上減少しているか」ではないのです。
さっと流し読むと「あー、うちはそこまで続けて前年割れしてないからだめだな」と諦めてしまっている方がいるのではないかと思います。かくいう私もかなり前にこのアナウンスがあった当初には勘違いをしていたので…。
その他要件や対象、Q&Aが中小企業庁のHPに掲載されていますので気になる方はチェックしてみるといいでしょう。実際には管轄の市区町村への申告になりますので申請書などは各自治体のHPからの入手、となりますが要件や趣旨については全国共通となっています。
中小企業庁:新型コロナウイルス感染症の影響で事業収入が減少している中小企業者・小規模事業者に対して固定資産税・都市計画税の減免を行います(meti.go.jp)
12月入ってからあまりに忙しくHPの更新がおろそかになっておりました。なぜか仕事は忙しいときに限って重なって入ってくるんですね。
夜遅くまで仕事をしていると体は疲れているのに脳が興奮してるのか、なかなか寝付けないことがありますよね。みなさんはそんなときどんなことを考えますか?
私は「今ゾンビが発生して襲ってきたらどうする!?」っていうのをよく考えます。武器はあるか?自宅に籠城するとしても食料はあるか?水の確保はどうしよう?バリケードを作るとして何を使うか?最終的には自給自足する準備も必要だな、とか。
B級ゾンビ映画や海外ドラマが好きだからか、破滅願望があるのか、なぜかこんなことを考えているとスッと眠りに落ちることが多いんです。妻や子供にこんな話をすると「ありえない」の一刀両断。
誰しも人には理解できないような変な癖や趣向があるに違いないと思うんだけどなー。そんなに変ですかね?
"Do one thing everyday that scares you.
”毎日、あなたが恐れていることを一つ行いなさい”
ルーズベルト元大統領夫人の言葉だそうです。不安や苦手なことを避けずに毎日一つずつ立ち向かっていければ間違いなくスキルアップしていくし大きな自信にもつながると思います。
こうした格言・名言はたくさんあって、何か事務所にインテリアとして飾りたいな~と思って探していたんですが、なかなか良いのがないし、あっても高い!
ので、リサイクルショップで220円(安っ)のA3の額縁を買ってきて自分でワードで作ったものをプリントアウトして飾ることにしました。
「うーん、なかなかいい」
自分的には結構それなりな感じに仕上がりました。これからは気分で入れ替えもできるし、このコラムでも「格言」シリーズ、紹介していこうかなーと思います。
年末調整のネタもそろそろ少し食傷気味なので、今回はたまにニュースになる事件について触れてみたいと思います。それは経理や事務の不正による横領や着服の事件です。少し前にニュースになっていたのは「経理事務職員の中年女性が会社のお金を自身の口座に10年以上もの間、繰り返し不正に送金を行い、発覚時には被害総額が1億5千万円にものぼっていたという。女性職員はこのお金をブランド物の衣料品の購入や遊興費にあてていたようだ。」というものです。過去には何十億というケースもあり映画化されるようなスキャンダラスな事件もありましたね。今回の手法については職業柄、容易に想像できますが、立場上その解説はやめておきましょう。
「いや、こんなん絶対気づくでしょ、普通」
「一体どんな巧妙な手口を使ったらこんなことができるの?」
と思う方が多いでしょう。しかしこうした事件のほとんどは至ってシンプルな手口によるものが多く、だからこそ気づかないというケースです。ではなぜこんなことが起きてしまうのでしょうか?実は以下のようないくつかの条件が揃えばどんな会社でも誰にでも簡単に不正を行うことができてしまうのです。
①経理事務・出納業務を一人の職員が行うことになっている
②経理事務・出納業務を行うのにいちいち上司や社長に報告や承認をとらなくてもよい
③長い間、人事異動がない
④税理士や会計士と社長が会って話すのは決算の時ぐらいだ
こうした内容にドキッとする中小企業の社長は多いのではないでしょうか?難しく言い換えれば、
①職務分掌の不存在
②牽制機能の欠如
③①と②の恒常化
④外部監査機能の不全
ということになります。上記はあくまで従業員による資産の流用の場合であり、もっと権力のある人物や経営者による不正では全く違うものになります。これはいわゆる「内部統制」といわれる会社のルールや仕組みをチェックする「内部統制監査」の話になります。税理士というよりも公認会計士のフィールドですね。特に中小企業の場合には有効な内部統制が構築されておらず、知らず知らずのうちに不正の起こりやすい状況になってしまっていることが非常に多いです。
「まさか、あの人に限って…」
不正はみんな最初はちょっとした出来心でほんの小さな金額の横領や着服から始まります。手口は驚くほど単純なものの方が多いのが現実です。バレなかったことに味をしめて少しづつエスカレートしていくのです。利益率やキャッシュフローなどの業績に興味がない社長の下では発覚も遅れていきます。
「内部統制の構築」などというと難しく聞こえますが、実際には業務のプロセスを紐解いていき重要な箇所でチェック機能を持たせたり、プロセス自体を変更したりしながら不正やミスの発生要因を取り除いていきます。結果的に業務の無駄を省くことにつながることも多いです。
「あーなるほどね、だから大きな会社ってこんなやり方してるんだ」
と思えるような発見も多いのでは、と思います。自分の会社が心配な経営者のみなさま、ぜひお気軽にご相談ください。
年末調整で渡される3枚の書類のうち「扶養控除等申告書」一人だけ次の年の分の申告書なのは知ってました?あるいは知ってたけど「なんでなん?」と思ってた人も多いんじゃないでしょうか?このタイミングで提出する翌年分の「扶養控除等申告書」は、年末までに在籍されている方が会社に、「来年の自分の扶養関係はこうなる予定ですよ」と知らせるためのもので、よく見たら所得の記載欄には「見込み」という表現がされています。
厳密に言えば今年の年末調整は「去年提出した令和2年分の扶養控除等申告書」をもとに年末調整を行います。もちろん実務では「今年書いてもらった来年分の扶養控除等申告書」と「去年書いてもらった今年分の扶養控除等申告書」(ややこしいな…)を見比べて異動や年末時点の扶養関係を明らかにしていくので必ず提出はしてくださいね。そして配偶者や扶養親族の所得はあくまで来年の見込み額を記載するようにしましょう。
これも我々の業界ではとってもメジャーな「年末調整あるある」ですね。こんな話題を口にし始めると一年ももう終わりだなーとしみじみ感じますね。
年末調整あるあるの一つですが、収入と所得を混同されている方が非常に多いので注意しましょう。
★給与所得における「収入」とは総課税支給額を言います。
★「所得」とは収入から「給与所得控除」の額を差し引いた額を言います。
本人の収入・所得、配偶者の収入・所得、扶養親族の所得を記載する場合にはキッチリ理解して記載しましょう。
例えば、配偶者特別控除で38万円の控除を受けようと思って妻のパート収入150万円を誤って所得の欄に150万と記載すると控除を受けられないことになってしまいます。実務上では収入か所得のどちらかしか記載していない方が多くて最終的にはご本人に確認せざるをえないことが非常に多いです。
ちなみに「給与所得控除」とは給与収入から自動的に計算されるサラリーマンに認められる概算経費みたいなものです。この国税庁ホームページなら自動で計算してくれますよ。
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1410.htm
「ひとり親控除」によって過去の婚姻の有無や性別を問わず扶養の子がいる場合には一律で35万円の所得控除を受けられるようになりました。いわゆる「未婚の母」に配慮しての改正ですね。この制度の創設に伴ってこれまでの「特別の寡婦」と「寡夫」という概念が統一され、消滅しました。「一般の寡婦」についてはこれまで所得制限のなかった「離婚後、再婚せず扶養親族(子以外)がいる女性」に500万円以下という所得制限を設けたうえで残されました。
うーん、どうやら対象の拡充で男女の差もなくなりみんなハッピー!というわけではなさそうです。つまり「一般の寡婦」存続のかたわら「離婚後、再婚せず扶養親族(子以外)がいる男性」や「妻と死別し再婚していない男性」は依然として対象とはなりませんでした。どんな理由からかは知りませんが、せっかくの改正の時になぜ完全に男女差をなくさなかったのかは疑問ですね。さらにシレっと所得制限まで作ってさ…。
ま、とにかく寡婦控除、ひとり親控除については簡単そうで以外と間違うことや分かりにくいことが多い項目ですので注意しましょう。
年末調整が近づいてきました。今年令和2年の改正点は主に、
①基礎控除の引き上げと基礎控除に所得による段階的減額および制限が設けられたこと
②給与所得控除の引き下げと所得金額調整控除制度の創設
③ひとり親控除制度の創設(未婚であっても扶養の子がいれば控除が受けられるように※所得制限あり)
といったところでしょう。制度の概要から実際の記載手順など、論点、変更点は多数ありますが、そもそも適用対象外の方も多いので自分に関係のある部分を確認するところから始めましょう。
今日はまず①基礎控除の改正について一言モノ申したい。正直、「それはあかんでしょっ!」と思いました。戦後に創設された基礎控除は国民の最低限の生活を維持するために必要な金額として25,000円から始まり、高度成長の物価上昇や生活水準の向上とともに上昇し平成7年に38万円となったあとは変更がありませんでした。「いや、まず大の大人が一年38万円で生きていけるわけないでしょ」というのは置いておいて、数ある所得控除の中で唯一要件がなく納税者全員に一律に適用されるものでした。今回の改正で基礎控除の額が48万円となったものの、合計所得金額が2,400万円を超えると32万円、16万円と逓減し、2,500万円を超えると消滅します。さらに言うと、基礎控除が10万円上がっても給与所得控除の額が10万円下がりますので大半の人はプラマイゼロで税負担額は変わりません。
ドラマ調に言うと「制度の根幹が日本国憲法そのものだった、誇り高きあの基礎控除さんがいとも簡単に他の所得控除と同じ位置づけに成り下がり、果ては給与所得控除の引き下げの当て馬に利用された、っていうのか!一体どうしちまったんだよ!金か、金のためか!?」という感じです。私は学者ではありませんし、制度を作る側ではありませんので、じゃあお前がもっといい方法考えろよ、と言われても困りますが、なんだかすべてが多様化という名の所得格差とそれに対応するための増税施策やそのわざとらしい言い訳のように感じられて面白くないなーと感じてしまいます。
具体的な内容や事例、書類記載事項については全然触れまてませんね。それはまた別の機会に。
ここのところ急な仕事やなんやでバタバタしていていましたが今日少し時間が出来たので、気分転換もかねて事務所からバイクで15分ほどの海岸へパソコンを持って出かけてきました。モバイルパソコンなので海を望むベンチでしばしメールをチェックしたりホームページを更新したり。会社員じゃないのでリモートワークとは言えないような気がしますが、確かにどこでも仕事ができる時代だな、と感じます。
自宅はもちろんですがカフェやホテル、はたまた遊園地に至るまでリモートワークのためのスペースを提供するようなサービスもあるようですね。会社側としては通勤手当に代えてリモートワーク環境確保のための手当を支給することになるでしょう。そうなれば就業規則の変更も必要になります。どこからどこまでを経費として認めるのか、リモートワーク中の労災関係は?と考え出すとめんどくさいことだらけです。
新しい生活様式やビジネス様式、それに伴うサービスの提供…税制や労働法などの法整備は後から追いかけてくるかたちになります。時代の変化に対応できなければこの仕事もやっていけませんね。
とりあえずこれから遊園地の領収書が出てきても、「ちょっと社長、お子さんと遊びに行った時の領収書が混じってますよ」と言っちゃう前によくよく注意しなければ(笑)
先日、お客様から写真の絵をいただきました。「店舗改装のゴタゴタで不要になったからもし欲しかったら持って帰っていいよ」ということで図々しくもいただいちゃいました。ちょうど海っぽいイメージのアートパネルかなんかあればなーと思っていたところにぴったりハマりました。
ただかなり大きくて重かったので取り付けは大変でした。一人では絶対無理だと思ったので、たまたま事務所に訪問予定だったダイワハウス工業の営業さん2人にまんまと手伝ってもらいました。山林さん、門田さん、助かりました。ありがとうございました。
最近もっぱら海の青とか森の緑とかが好みなのですが、疲れてるのかなー?
以前、この事務所日記でふれた家賃支援給付金ですが、やはり申請や審査、給付状況は難航しているようです。何せ家賃支援給付金の遅れを手当てするための制度融資を政府が自治体に要請したぐらいですから。当事務所でも数件申請のサポートをさせていただきました。今のところ全件、不備の通知もなく無事に給付されましたが、申請から給付まで最短でも3週間かかりました。
実際に申請してみた印象としては、「持続化給付金」の3倍は時間がかかり、5倍ほどの量の資料が必要でした。特に以下の2点について注意が必要だ、と感じましたので挙げておきます。
①家主に書いてもらう証明書をお間違えなく!
・契約書のみで名義人や契約期間等が明らかでない場合には家主に証明書を書いてもらう必要があります。しかしそのパターンは4つあり、どれが自分のケースに当たるかを見極めることが難しいです。契約書と合わせて添付する場合には、物件の所在地・名称・賃貸人・賃借人等の記載は契約書と一致させましょう。ただし、名義人と契約期間の両方が一致しない、明らかでない場合にはいっそ契約書が存在しない場合としての証明書を書いてもらい申請した方が早いです。
・「自署」が必要ですので、ゴム印などでもらわないようにしましょう。(印鑑も不要です)
②pdfファイルの作り方にご注意を!
・持続化給付金の時のように「スマホで撮った写真」だけでは事実上不可能になっています。それは添付する書類が「契約書」と「証明書」あるいは「通帳の支払いがわかるページの写し」と「その通帳の表紙見開きページ」というように複数枚にわたる資料を一つのファイルとしてアップロードしなければならないからです。こうなるとスキャナーは必須ですね。
・どのタイミングでどの資料をまとめて、あるいは分けてファイル化してアップロードするのか進んで行かないとわからないので、資料を手元に用意して入力と同時並行でファイル化していく方が結果的に早いかもしれません。
契約書を的確に見極められること、事務設備がある程度整っていること、かなりの時間がかかること、こう考えると高齢の方や時間のない方にはかなりハードルが高い作業となります。申請期限まではまだ時間がありますのでお気軽にお問合せください。
「ビジネスで成功するには○○が必要だ」「絶対成功するための〇つの条件」というフレーズがよく聞こえてくる業界にいるし、これからの税理士は、こうしたノウハウものについてある程度の解答は持っているべきだと思います。しかしそもそも成功とは何だろう?
一番に思いつくのは大金と強大な権力を持つこと。たくさんの従業員を抱え、一等地にオフィスビルを構え、多額の報酬を得る。高度経済成長期やバブル期までの日本でなら疑いようもなかったその成功の定義は、平成・令和となり人々の価値観の多様化と社会不安のために大きく変化していると感じます。また実際に今のビジネスシーンにおいては大規模な事業所を建設したり、多くの従業員を抱えることは、そのまま大きなリスクであるといえます。
実際に創業する方で「大金持ちになりたい」「会社を大きくして社会的に評価を得たい」と口にする人は不思議なほど少ないです。しかし、こうした欲がなくなったわけではないはずなのです。ひょっとするとこんなに分かりやすいストレートな成功を語ることが憚られるほど今の日本の経済や社会は歪んでいるのかもしれません。お金や権力ではない何かに成功を求める傾向が強くなっていることも間違いのない事実です。
私は新しく顧問先となって頂いたお客様に、しばしば「社長の夢はなんですか?」と聞きます。それはこれから共に歩んでいくパートナーやアドバイザーとして税理士である自分が何ができるかを考えるうえで最も大事な指針になることだからです。社長がどんな食べ物が好きで、休日はどんなことをして、どんなことに幸せを感じるのか、そんな、お付き合いしていく中で分かってくるようなこともとても大切なことだと思っています。
夢や目標は変わっていくものです。一つの目標を遂げればまた新たな目標とそのための障壁が現れる。それをまた乗り越えていくことで会社や事業は大きくなっていく。名誉や報酬金額と比例して責任や心配事は大きくなっていく。そのことに大きな達成感と矜持を持つことが出来れば、それは成功と言えると思います。しかし「こんなはずじゃなかった」と感じていれば、それは決して成功とは言えません。
何が成功か、なんて私が定義づけることは出来ません。それは事業を行う方の永遠のテーマであり探求していくものだと思うからです。私ができることは、日々変化していく事業環境や経営者の思いに寄り添い「がんばってきてよかった」と思っていただけるように力を尽くすだけ。かくいう私も開業したての事業者として自分自身のビジネスの成功とは何なのかを考えているところです。
「給与所得者の基礎控除申告書兼給与所得者の配偶者控除等申告書兼所得金額調整控除申告書」…。なんですか、これ、呪文?思わず笑ってしまいました。
令和2年からの年末調整関係書類として公表されたこの書類、去年までは「配偶者控除等申告書」だったものがさらに2つの要素を組み込まれて作り替えられました。もちろん従来からの「扶養控除等申告書」「保険料控除等申告書」はなくなっていません。
これでも専門家ですので今年の所得税法改正内容に対応するためにこんな様式が作成されたことは理解しますが、年々複雑化していく税制にはもはや苦笑するほかありません。消費税複数税率、事業承継税制、組織再編税制…税の3原則「公平・中立・簡素」の簡素の部分は抜け道封鎖やプロパガンダのために完全に置いてけぼりになってはいませんかね?
年末調整については、今年の変更点や記載の仕方などで注意点や重要なことがあれば随時ご紹介したいと思います。一年、ほんと早いですね。
料理を作るのが好きだ。そんなに独創的で変わったものは作れないが、それなりにこだわりや自信もある。
何をどんな味付けや盛り付けで何品作るか想像し、材料を用意して、出来上がりのタイミングを合わせるために下ごしらえしながら何をどの順で作っていくか段取りを組んで調理していく。使用済みの調理用具を洗い終えることも含め思い通りのタイミングで美味しい料理が出来上がるととても気持ちがいい。いいストレス解消の手段ともいえる。まあ、これが毎日のこととなると大変な負担になることは言うまでもないが。
帳簿をつけ試算表や決算書などを作り上げることもプロセスが似ている。通帳や出納長、売掛台帳、領収書や請求書、カード明細等の材料を集め、お金の動きの詳細を把握するためにアク抜きや骨抜き、下茹で等の下ごしらえをし、月ごとや取引種類ごとに資料を整理し片付けながら、火を入れ、味をつけていく。材料がそろってるし今日はもう一、二品作れそうだから資金繰り表と収益分析表を作ってみよう、とか。仕上げには減価償却費の概算計上や未払費用の計上のトッピングも忘れずに、なんて。
税理士を料理人に例えるのは少し飛躍しすぎだと思うが、やはりそれぞれの得意料理や味付けのクセはあると思う。使用する勘定科目や処理方法等の違いから100人の税理士がいれば100通りの決算書ができうると思う。奇抜な調理方法、原型を留めないような盛り付けや濃い味付けで必要以上に豪華な演出をするのはまさに粉飾決算だ。集めた材料を投入し忘れてあるべき料理とならなかったらそれは脱税となるかもしれない。マカロニでポテトサラダは作れないし、ごはんがないのにチャーハンは作れない。素材すべてを生かしながら、安心・安全でかつ明日の糧になるような、そんな料理を作っていきたいと思う。なんの話だったかな?
(写真)料理の写真を上げようと思ったらこんなのしかありませんでした。子どもの弁当を作った時の写真。ほとんど冷凍食品ですね(笑)。またいいのが作れたら写真撮ろうと思います。
20年以上ぶりにバイクを買った。いわゆるリターンライダーというやつだ。妻には危険だからと散々反対されたが、この年になって感じる良さをしみじみと噛みしめている。普段、車でいつも通る道が新鮮に感じたり、秋の訪れを風に感じたりする。移動という行為自体が楽しい。もちろんマンションや駅前等の車で行きづらい顧問先への往査にももってこいだ。事務所にいるときはデスクから見える場所にバイクを置いてニヤニヤしている。
税理士や会計士というのはイメージよりも外周りや移動が多い仕事だし、当たり前だが休みの日も本ばかり読んでいるわけではない。アクティブな趣味を持っている先生も多い。
念願のバイクを手に入れた私の次のお目当ては明石海峡でジギング(釣り)。それにはジギング用の釣り道具を買い揃えなければ…。いつか登山やトレッキングにもチャレンジしてみたい。それには登山用品が必要だな…。形から入る方なのですぐ物が欲しくなる。
欲しいものややりたいことがいっぱいある。浪費や気の多さを妻に怒られながらでも、出来るだけいろんなことをやってみたいと思う。仕事もがんばろ。
先日申請した「兵庫県中小企業事業再開支援事業補助金」の入金がありました。申請したのが9月2日頃でしたので3週間程度で支給されたことになりますね。交付される旨の事前通知はなく、いきなりの入金でした。
補助金対象になった経費については領収書の原本を提出してしまっていると思いますが控えを取っておいて帳簿に記載することをお忘れなく(今更ですが)。でないと補助金の収入だけが計上されて税金を多く払わなければなりませんからね。
数日前の日経新聞に全国の税務署や国税局が新型コロナウィルスの影響で中止していた税務調査を10月から再開する旨の報道がされました。国税庁ホームページに行ってみると当局は感染対策を徹底しているというアピールが。どうやら間違いないようです。
しかし調査を受ける側から感染リスクなどを理由に拒否されるようなケースなども予想されるし、当然ながら長時間の滞在や密状態になるような場所での調査は避けるべきだと思います。調査再開後は多少のトラブルが発生するかもしれませんね。
ウィズコロナ、アフターコロナの新しい生活様式の中では税務調査の在り方もまた変わっていくのだろうなあ。
先日、ある顧問先が新しい事業所を開設したということで行ってきました。新名神に乗って行けばそんなに時間はかからないですよ~と聞いていたのですが、カーナビに従っていくと中国池田で降ろされ下道を延々と、2時間近くかかってしまいました。うちの車のカーナビはまだ新名神ができたことを反映していなかったのです。帰りはカーナビには従わずに新名神に乗ってみたら40分ぐらい早く帰ることができました。
また別の日、ある税理士の先生がおっしゃっていました。「我々の仕事はカーナビみたいなものだと思っています。今どこにいてどこに行きたいのかを決めてもらったらそのルートを案内する。最短で着くのがいいのか、料金が安いのがいいか、寄り道しながら行くのか、運転手である経営者と相談のうえでその都度軌道修正しながら目的地へ導いていくんです。」と。うんうん、さすが○○先生。
頭に浮かんだのは新名神を知らなかったうちの車のカーナビ。税理士として、カーナビとして、信頼を失い取り替えられてしまわないように、常に新しく正確な情報やノウハウを更新しておかないとだめだな、と考えさせられました。最近は忙しさにかまけてインプットがおろそかになっているように感じているので気をつけようと思った今日この頃です。だいぶ涼しくなってきましたね~。
神戸市チャレンジ支援補助金は6月末で申請は終了しています。今は交付決定通知を受け取り、その実績報告をしようとされている方が多いと思いますが、そこで車両関係で補助金交付決定を受けた方に情報提供です。
添付資料として以下の4点をご用意ください。
①領収書(振込で領収書のない方は請求書と振込の記載がある通帳のコピー)
②車両本体価格(車両の場合は税抜き本体価格に対してしか支給されません。)が記載されている明細書
③購入した車両の写真(ナンバープレートが写っていることが望ましい)
④車検証のコピー
特に③④はどこにも提出書類として記載されていないにも関わらず要求されるようです。早く給付を受けたい方は追加書類の提出を依頼される前に前もって添付しておきましょう。
すごく限定された方が対象の情報で申し訳ありません。
「含み益」という考え方がある。日本の会計では取得原価主義を採用しているため、基本的には資産を購入したらその金額のまま貸借対照表に計上され続けることになる。「含み益」とはその資産の時価が取得価額を上回る場合のその差額部分である。
とある都心の一等地に本社を構える会社に計上されている土地の価額は約50万円だった。「この土地はどこの土地ですか?」と聞くと「今、私たちがいるこの本社の土地ですよ。」と微笑みながら答えてくれた。戦後の混乱時に売掛金のカタに回収した土地は今や時価5億円を超えるものになっていた。嘘のようなホントの話だ。
M&Aや企業価値評価のときにはこうした「含み益」は時価に換算されるが、普段の決算書にその価値が現れることはない。売却等して「含み益」が実現するまでは形にならない、その存在を知っている人のみが「ムフフ」となってしまう、これが「含み益」なのだ。
なにも一攫千金の投資を狙えと言っている訳ではない。人生や日々の生活においての「含み益」とは「余裕」や「あそび」と言い換えることはできないだろうか。経済的な余裕はもちろんのこと、時間や精神的な余裕、心の「あそび」の部分は日々を豊かにする。そしてそれはまた新たな「含み益」を生み出し、良い連鎖となっていく。
「含み益」のある人生を送りたいと思う。
妻が晴れて税理士登録することが出来ました。私なんかよりも前から税理士を目指し、あきらめず努力してきてようやくつかみ取った税理士バッジ……ん?白っ!!!
いつから変わったのか調べてもよくわからないのですが、知らないうちに税理士バッジの色が変わっていました。令和バージョンなのか?2020年限定モデルとか?ここ最近で一番びっくりした出来事でした。
左が私のバッジ、右が妻のバッジ。偽物でなければいいのですが……なんてね。とにかく、おめでとう!
先日、「兵庫県中小企業事業再開支援事業補助金」という補助金の申請を行いました。補助金額は県内に1つの事業所の場合、個人事業者10万円、法人の場合20万円が対象となる支出を行った場合に補助されます。(2事業所以上の場合は個人20万円、法人40万円)
当事務所は写真のオゾン除菌脱臭機、その他諸々の除菌グッズと合わせて10万円の申請を行いました。さていつ頃入金されるのか、またご報告します。
この補助金の申請の注意点をいくつか。
・税抜き金額で上記の金額以上を支出していなければ補助金は支給されません。(当事務所の場合、オゾン除菌脱臭機のみでは税抜き10万円を超えていませんので、それのみではもらえないということになります。10万円以内でもその金額はもらえる、というわけではありあませんのでご注意を。)
・パソコンやタブレットもテレワーク導入等、コロナ対策目的の場合対象となります。エアコンは空気清浄機能や換気機能があるもののみ対象となります。マスクや除菌シートといった消耗品も対象となります。
・補助対象期間(4月7日~9月30日)の間に注文、納品、支払が必要ですので、今からだとクレジットカードで決済をするのはやめましょう。(カード利用額の引き落とし日が支出の日となりますので)
・申請方法は事務局へ郵送(レターパックライト)でオンライン申請はありません。
・申請期限は9月30日ですが予算に到達次第終了すると公表されていますのでお早めに。
詳しくは県のHPをご覧ください。他府県の方もホーム画面の右下に黄色のコロナ関連のバナーがありますのでそこから入って、今使える給付金・補助金を探してみてください。日本地図の形になっていて自分の県の情報がうまくまとまって見やすいですよ。
今回の補助金に関する詳細HP↓
「今日あそこのスーパー、タイムセールで玉子100円(お一人様1つまで)やからみんなで行くで」は本当に得か?
最近のここ神戸市西区周辺の玉子(10個入り)の価格相場は160円~180円、これを家族4人で4パック安く買えたことによって得る利益は約300円。当然ながらこれを得るためにかかった費用を考えなければならない。旅費交通費(ガソリン代・駐車料金)、労務費(1時間程度×4名)、減価償却費(車の消耗)はもとより、普段行かないスーパーに行ってテンションが上がってしまい不要なものを買ってしまうリスクも考えなければならない。さらには管理会計の考え方では、ある行動を取ったことによって得られなかった利益を機会損失によるコストとして意思決定に反映するのだから、みんなで玉子を買いに行ってしまったことでできなくなった家事の進捗や休みの日の貴重な疲労回復の度合いを原価として考慮しなければならない。
会計は素晴らしい。単に休みの日に安売りの玉子を買いになんか行きたくない理由をこんなにも饒舌に説明することができるのだから。ただし聞き入れられるかどうかは別の話ですが。
「経費で落とす」という表現はとても日本的だなあ、と思います。特に会社勤めの方は「自分の懐を痛めずに飲み食いできる」みたいな意味で使われていることが多いですね。高度成長期の会社組織の中で生まれた言葉なのかな、と思います。経理部や総務部でブツブツ文句言われながらも領収書と引き換えにお金が返ってくる、イメージですね。
事業を行う方にとって経費とは、所得を得るための特定の経済活動と直接の関連を有し、それを行うために客観的にみて必要な支出であり、収入と相殺され所得とそれに対する税金を減らす効果があります。生活費は所得から賄うものですから経費にならないというのは当然ですね。しかし日々の食料品の買い物の中にお客様用のお茶やコーヒーを一緒に買っていたり、生活費のように見える支出であっても、その全部または一部が事業を行うのに必要なもの、と言えるのであればそれは立派な経費です。逆に事務用品や通信料など経費っぽく見えてもその実態が子供が学校で使う文房具だったり、家で見るケーブルテレビの料金なら経費とはなりません。何にお金を使ったかも大事ですが、何のために使ったかの方が経費の考え方からすると重要なのです。あとで第3者が見てもわかるように普段からきちっと支出を管理し内容を記載しておくことが大事です。また、そもそも生活費と経費を混同しないように財布や口座を分けておくことをお勧めしています。
「これ、経費で落ちますか?」と聞かれることが多いのですが、その答えは事業を行っているご本人が一番よくわかってらっしゃるはずなのです。「経費で落ちるかな」と誰かの顔色を伺うようにこっそり帳簿に載せるのではなく、これはれっきとした必要経費なんだから「経費に上げる」という姿勢で堂々と主張するのが申告納税方式を採用する日本の納税の在り方なんじゃないかなあ、と思います。
もちろん、支出の種類や金額、状況によっては別段の規定があるものがたくさんありますし、領収書等の保管や相手先の記録等の義務もありますので「主張すればなんとでもなるんだったら、何もかも経費で!」とはいきませんので、我々専門家に相談してくださいね。
先日、子供を連れて姫路市のはずれにあるとある滝つぼへ行ってきました。写真のような滝つぼが大小合わせて5,6か所あるところで水遊びにもってこいです。コロナのこともあるので人があまり多くないといいなと思って行ってみると自分たちのほかは2組しかいませんでした。山の空気も水もとても冷たく澄んでいてたっぷりマイナスイオンを浴びてきました。
水辺でビショビショになって遊んでいると、たまたまキャニオニングに来ていた方たちに誘っていただいて私も子どもも滝つぼへダイブ!久々に童心のようにドキドキしてしまいました。子供にも夏のいい思い出ができたんじゃないかなと思います。カッパクラブの方々、本当にありがとうございました。
日々の難しいことは忘れて、すごくリフレッシュできた真夏の1日でした。
新型コロナウィルス感染拡大の第2波が声高に報道されていますね。周囲の噂や近隣の情報から、4月頃と比べると、より身近に、確実に、すぐそこまでその波が来ているように感じます。
未知のウィルスは全くもって恐怖そのものです。私を含め小さい子を持つ親なら誰だってこの恐怖から我が子を遠ざけたいと思って当然です。しかし自分や家族を守る、ということと、そのために他人を傷つけるということはイコールではないと思います。
ウィルスの感染拡大とともに人々が抱く恐怖は飛沫すらも介さずに爆発的に感染拡大しています。その恐怖から少しでも逃れるために、感染してしまった方やその関係者を吊るし上げ、「こんなことをしてたんだから自業自得だ」「こんな人が感染を拡大させている」と、いかに自分たちとは違うんだと言うことで、今そこにある危機から少しでも目を背け、別世界のことだと安心しようとしているように思えてなりません。まるで中世の魔女裁判のようです。
今のこの状況では、自分や家族が感染した場合の実際の症状による苦しみももちろん恐ろしいですが、感染してしまったという事実によって受ける社会的な制裁や差別の方が恐ろしいと感じてしまいます。もし自分の子供が感染し、学校にウィルスを持ち込み、そのせいで感染が拡大し、もし同級生が亡くなってしまったりしたら...。誰がどう言ったとしてももうその学校には通わせることはできない。引っ越しも視野にいれなければ。そう思わせてしまうほどの怖さを、今のこの熱に浮かされたような不安定な社会に感じてしまいます。
いつだって怖いのは人間です。むやみに恐怖を煽ったり、撒き散らしたり、特定の誰かを攻撃するような言葉を発するのはやめてほしい。言葉には力があります。誰もが簡単にSNSやインターネット上で声をあげられるこの時代だからこそ、その言葉を発していいかを慎重に考えてほしい。近い将来、人類は必ずこのウィルスに対抗策を見出すことでしょう。コロナウィルスとその恐怖が過ぎ去った後に戻ってくる職場や学校の日常を思い、今を過ごしましょう。
こんな時だからこそ人に優しくなりたい、と思います。
事業者にとって「節税」という言葉はとても魅力的だと思います。セールスマンはこの「節税」という言葉を使って巧みに商品を売り込んできます。しかし良く考えなければいけないことは、「本当に今、その商品やサービスが必要なのか」だと思います。事業に関係する事柄にお金を使えば当然、経費の額が増えます。お金を使った結果として税金が減るのはこれまた当然のことです。税金を減らすことだけに執着しオーバースペックな保険契約をしたり、必要のない過剰な設備投資を行うことはただの無駄遣いでしかないのです。ひいては事業の収益性まで低下させてしまう結果になってしまいます。
むやみにお金を使う「節税」ではなく、まず原状を把握し、税法や制度をよく理解した専門家に相談したうえで有効な手段を考えて行きましょう。行き過ぎた「節税」行為は「租税回避」と捉えられ、課税庁側との争いになることもありますので十分に気を付けましょう。
25年前のちょうど今頃、15歳の私はたった一人インドにいました。首都デリーから入国し列車で聖地ヴァラナシへ、ガンジス河のほとりのエアコンもない安宿で10日ほど滞在しました。その後、亜大陸を横断しムンバイへ。日本を飛び出し、何をするでもなく、あの何もかもが混沌とした国で、自分は必死で何かを探していたのだと思います。若気の至り、だったと照れくさく思う反面、間違いなくあの旅から何かが始まり、それがいまだに続いているようにも思います。
先日の7月14日、ついに「家賃支援給付金」の受付が開始されました。その数日前から公表された要綱等に目を通してみました。「持続化給付金」のときと比べての大きな変更点や感じたことを挙げると、
①売上減少の対象月が5月以降に限定された。
持続化給付金の時は1月から12月の間の任意の一月(つき)でしたが、今回は3か月平均で前年同期間と比して30%以上減少という緩和要件が追加されたものの、5月以降で、という縛りが入りました。持続化給付金のときに4月以前を対象月と指定された方はもう一度やり直しです。
②賃貸契約書添付要件で申請者側と事務局側の両方でかなりの混乱が予想される?
賃貸契約書等の添付要件が当然追加されましたが、これが厄介です。賃貸契約書の多くは2年や3年で自動更新するという契約が少なくありません。その場合、要件にあるように3月末時点と申請時点で有効な契約かどうかが分からない、ということになります。そもそも契約書をなくしている、とか名義が違う、なんてこともざらにあります。結局は家主のところに行って証明書をもらわないといけないパターンがほとんどになるのではないかと思われます。それも家主がご近所さんならいいですが、遠方の場合どうやって入手するかも問題ですよね。いずれにせよ契約書を引っ張り出してこの内容が有効かどうか見破ったうえで追加書類を検討しなければいけないし、いざ申請された事務局側でも同じことを審査しなければいけません。形式的に仕分けしていくにも多少の不動産取引等への知識がなければ判断が難しいほど賃貸契約書の様式や内容は複雑で多岐に及ぶのです。これではかなりの混乱が生じることは必至だと思います。
③創業特例でのケアは不十分?
今回は2019年5月から12月の間に設立・開業した法人・事業主が創業特例の対象と変わりました。なお2020年以降の設立・開業された方についてはまだ調整中です。「持続化給付金」「家賃支援給付金」の両方が見落としている事実は、設立や開業して間もない時期は極端に売上が少ないことが多い、ということです。しかしながら前年同月や同期間において設立・開業直後のほんの少ししか売上が存在しない場合でも、その売上からの半減や30%減で対象・対象外を判定されてしまいます。例えば、2019年4月に設立した法人で通常、軌道に乗れば300万円の売上があるのに設立間もない2019年4月~6月は100万円しか売上がなかった場合、今年の5月や6月の売上が150万円以下でも給付対象とならないということになります。また平均をとる場合にも極端に売上が少ない月でも分母の1として計算するので対象となることが難しくなります。
他にもツッコミどころはたくさんありますが、批判ばかりしていても始まりません。急ごしらえな制度であるためにすべての事業者が納得できるようにデザインするのは難しいということは理解できます。この給付金が本当に必要な事業者の元へ、なるべく多く届くことを祈ります。
先日、子供がゲームソフトを売りに行きたいというので中古屋さんに行ってきました。新品で6,000円程度で買ったソフトが3,000円で売れました。子供が「6,000円もしたのに半分にしかならなかったね」と言うので、「買ってから売るまでに3,000円分楽しめたんならいいんじゃない?」と応えました。
これはまさに減価償却だ、と思いました。高額でかつ1年以上使用する物品を購入するとその耐用年数に従って購入金額が減価償却費として期間配分されていきます。購入した年度以外では支出を伴わない経費となることや中古を選択することで1年で償却が可能となったりすることがあるので節税方法としてよく取り上げられます。
みんな最初、高い買い物をするときにはこの金額が妥当かどうか、とことん調べますが、いざ購入した後には、「なーんだいっぺんに経費にはならないのか」「今年はいくら経費になるか」「いつまでその効果が続くか」ぐらいしか興味がなくなってしまいます。ですが、実はこの減価償却という考え方の根底には費用収益対応の原則というものがあるのです。つまりこの方法はその固定資産をその期間使うことによって得られた便益が妥当かどうかを考えられるように作られたものだということです。決して「高額なものを買ったからっていっぺんに経費にはさせないよー」なんていう理由で税務署が考え出したものではないのです。過去の副産物としてではなく、今まさに発生している経費として減価償却費をとらえれば経営にも役立つ指標のひとつになるのではないでしょうか?
子供といると、ふとしたときに物事の真理に気づかされることがありますね。
同性同名で同じ神戸の税理士である大森達也先生の事務所にお邪魔してきました。こちらの大森先生は神戸市中央区の立派なビルにオフィスがあり、私よりももちろんキャリアの長い大先輩です。以前より気にかけて頂いて今回も事務所経営やTKCのことたくさん教えて頂きました。初めてお会いした時からなんだか他人とは思えない感覚で、お話していても全然話が尽きません。不思議な出会いがあるものだなあ。この名前を汚すことのないよう頑張らなければ、と思います。
顔写真をあげるのはこれが初めてでした。ややこしいですが、右側(白シャツ)が私、大森会計事務所の大森達也です。左側(青シャツ)が税理士法人ソラティオの大森達也先生です。
貸借対照表の左側を借方、右側を貸方と呼ぶ。借方には資産が、貸方には負債と純資産が計上され、互いの総額は必ず一致する。だから英語ではバランスシートとも言う。簡単に言えば借方にある資産をどうやって調達してきたか、あるいはその資産を得るために何を背負ったか、が貸方に表れているということだ。慣れてくれば会社の財務状態が一目で分かるようになる。資産より負債の方が多い状態を債務超過と呼び、危険な状態であるといわれる。
難しいことを言いたい訳ではない。私たち個人や家計に置き換えてみればわかりやすい。豪奢なマンションに住み、いい車に乗り、高価な洋服や装飾品に身を包んではいるが、実際は借金まみれであったりすることも多い。負債は借金だけとは限らない。憧れの仕事につき素敵な家族がいて幸せそうな人間の心のうちは過大なストレスや将来への不安でいっぱいかもしれない。資産のすべてが自分の成し遂げた成果物(純資産)のみで成り立っている人は少ない。目に見える借方とそれを構成する目に見えない貸方。税理士や会計士は普通は目にすることがない様々な他人の人生を垣間見ることができる稀有な職業だと思う。自分の持つものと背負っているもののバランスがとれているか、自分の心の状態は債務超過になっていないか、と考えることもたまには必要だと思う。
昨日、妻にこんなんもらいました。
オリジナルTシャツ(非売品)のようです。昔「ごはんとみそしる」というお店をやっていた頃ロゴマーク入りのオリジナルTシャツ作ってスタッフに着させてましたが、さすがにこれ着てお客さんと会うわけにはいかない。かといって家でくつろいでる時にこれ着るのもなんだか落ち着かない。
妻よ、どうしろと?
娘が、塾の宿題でよくわからないところがあるというので、どれどれ久しぶりに父の威厳というものを見せてやろうと思って見てみたら...ゼンゼンワカラナイ。どうやらひらめきや柔軟な思考力が試されるような問題のようなのだが、この頃はめっきりその類の問題が苦手だ。前提条件も欠けているような気もするし...。自分が子どもの頃はこんなんじゃなかったような気がする...。自分の頭が固くなっただけなのか...。解けない...。
源泉徴収という名の泥棒がいる。その泥棒は人の給料から知らないうちにお金を抜き取り、堂々とその痕跡も残しているのに一向に捕まらない。
もちろん冗談ですが、あまり制度をご存じでない方はそれに近い感覚をお持ちではないでしょうか?源泉徴収は戦後の混乱の中で税金の徴収が困難となった時代に生まれた制度のようです。個人の所得税を予め概算で徴収し国に納付しているわけですが、徴収と納付の義務は雇用者側にありますので会社や事業者は十分に注意が必要です。年末には年末調整を行い、ほかに特段の所得や控除がない限り、サラリーマンの税金申告は会社がすべて代わりにやってくれます。そのせいで大半の給与所得者は自分が年間で税金をいくら支払っているか答えられないのではないかと思います。
自分がいくら税金を納めているのかも分からない国民が国や市区町村の税収の使い道をやみくもに糾弾するのも少し滑稽なように思います。ひょっとすると源泉徴収という泥棒に抜き取られているのは税金だけでなく、日本国民の租税観念や納税意識そのものなのかもしれない、と思う今日この頃です。
写真:サーフボード型コーヒーテーブル買いました。おしゃれ。ちなみにサーフィンは全くやりません。
ここではこれから会計や税金に関すること、事務所のことや、まったく関係のないことを思いつくままに書いていこうと思っています。そんなに更新できないかもしれませんが、何か発信できたらいいなと思い作ってみました。
今は新型コロナウィルス感染症の話題で税理士業界ももちきりです。持続化給付金、雇用調整助成金や特別貸付制度はもちろん、家賃補助、その他新しい給付金、助成金等、インターネットや報道では続々と情報が出てきていて、対応が大変です。中にはまだ受付が開始されていないものや本決定となっていないものもあります。こんな時だからこそ錯綜する情報に右往左往する前にしっかりと帳簿を進めておきましょう。現状を把握することでおのずと必要な行動や業績の推移などが明らかになり情報は取捨選択可能なものとなっていくと思います。
初回はまじめな内容になりましたね。また更新します。